Categories: 銘柄分析

良品計画 株主総会行ってきました

株主総会参加してきました。

 場所:良品計画本社 (池袋、西友のすぐ隣で歴史を感じました)

 参加人数:100名前後

 時間:75分ほど(懇親会除く)

 お土産:トートバッグ

     無印良品店舗で使用できる最大20%オフのチケット

     自社商品のジャスミンティー

取締役に加え、執行役員も全参加。30名弱の人数で結構多いなぁという印象。

中国人と思われる方も、名前を連ねており同社の中国事業、アジア事業展開を考えた時に必要な人材なのだな、と感じました。

松崎社長が議長を務め、進行が開始。

この総会で一番驚いたことは事業報告の読み上げが機械音声によるナレーション!全然違う観点で、こういうところからテクノロジーは浸透してくのだなぁと思ってしまいました 笑

・質疑回答は社長7割、他役員3割

事業報告において、簡単にまとめると

 ・国内は生活雑貨・家具が苦戦したため、売上は増やしたものの利益が落ち込んだ。明言はせずとも、ニトリの影響が大きいのでしょう。衣服と食品は堅調に推移。

 ・中国は年末に消費が急変、旧節以降持ち直したものの消費の質が変化したと感じている。身の丈にあった消費行動をとるように変化した印象。

 ・北米は物流構築や店舗建築の遅れで赤字幅拡大、浸透もまだこれから

 ・欧州は黒字転換、こちらは今期の出店計画にも含まれているが主要都市に次々と展開予定。

 ・来期は営業利益、売上ともに増えるが株式売却益がなくなるため、純利益は減る。配当性向30%堅持するため、配当金額は今期を下回る見込み

目下の課題は、グローバル経営の浸透というニュアンスが感じられました。

海外売上比率が増えるにあたり、国内店舗と海外店舗での価格差が1〜3割ほど異なるのが無印良品の現状です。ポリシーである「良い商品を良い価格で」提供するためにもサプライチェーンの構築と人材の確保・教育を急ぐ必要があるというのが社長の言葉からも滲んでいました。

来期以降、及び中期経営計画の柱として

 ・人事制度の見直し

  →グローバルで統一された人事評価制度。また一人一人が考え高付加価値の人材となる教育方法の徹底。それによって適材適所の人員配置が迅速に行えるようにするのが目的

 ・IFRSへの移行(2021年8月)

  →海外売上比率が増える中で、会計制度もグローバルなものに移行。数字への影響は軽微と捉えている

 ・サプライチェーンの確立

  →北米での赤字の一つの要因として、長期的に見た時に適切でない物流パートナーだったとのこと。見直しを加えたり、東南アジア・西アジアでの出店が増えると中国からの輸出は高関税で、価格に転嫁せざるをえない。ベトナムなどに工場をつくるなど、適正価格で提供できる一番の柱がここ。

 ・価格の見直し

   →特に中国では、いわゆる爆買いのような消費行動は減った。身の丈にあった消費行動になってきた時に適正な価格で提供できているかどうかが重要。

 ・現地発信の商品開発

   →上記と重複するが、日本で商品開発したものがベストとは限らない。中国では中国サイズのベッド・寝具類を開発するなど現地に根ざした商品開発を行うことでさらなる顧客満足度につなげる

 ・国内は人材のレベルアップと個店の質向上

   →KPIを一人当たり売上高に設定し、今まで本部からのマニュアル指導がメインだったオペレーションを見直す。ブロックごとにリーダーを配置し、店長はじめとした店舗教育に注力する。

上記が取り組むべき課題とその対応策として話されていました。

主だった質疑応答は

 Q、自社株買いは行う予定があるか

   →本業の回復が最優先かつ、内部留保は海外展開に充当。配当性向30%を堅持するため実施予定はない

 Q、投資有価証券が一気に減ったが、なぜか?

   →ユニー・ファミマとの業務提携解消に伴う、保有株売却。

 Q、今後重点的に取り組むこと、商品は何か?

   →衣服と食品は堅調。特に食品は冷凍食品の拡大など、積極的に増やしていきたい。また海外出店も先進国だけでなく、東南アジア・西アジアでの反響がいい。ただ、まだ一人当たりの消費額が低いため適正価格で提供できる努力が必要。

 Q、4月は既存店売上が前年を下回るなど、不安材料があるが通期ではプラスの想定。これは本当に大丈夫か?

   →4月の落ち込みは一過性のものと見ている。下期偏重の年間計画のためそれほど不安視していない。

企業の色として、あまり派手なことをやるというよりも地道にコツコツ、という感じですので中期経営計画や事業報告もパッとしない言葉が並びます 笑

不満に感じる投資家の方もいらっしゃったようですが、「モノを買ってもらうだけでなく、人々のライフスタイルに価値を提供する」無印にしか出せないブランド力があります。

これは海外に行っても、通用することは数字が証明しておりムジラーと言われる強烈な企業・商品のファンがいます。

そういう意味では、ファン及びファン候補の人に幅広く「同一価格、少しでも安く、痒いところに手がとどく」ここにブレずに取り組んでもらえれば、必ず報われるタイプの企業だと思っています。

逆を言うと、そういったウケのいい言葉で飾られなかったことを総会で確認ができたのはいい収穫でした。

すでに4割が海外売上、かつ500店舗弱出店しているという海外展開だけ見れば実は足元では客を奪われているニトリよりもだいぶ先を行っています。

むしろニトリはこれから、無印が苦労してきた海外開拓が待っているためしんどいフェーズに入ってくるでしょう。

総会を見た時にはまだまだ日本企業だなぁと経営陣を見て感じました。もっと多国籍な人材が増えた時に、成長のエンジンが加速するかもしれません。

引き続き長期保有銘柄として見守っていきたいと思います。

今日はこの辺で。

stoam1007

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