Categories: 銘柄分析

JIA(ジャパンインベストメントアドバイザー)のこと少し調べてみた

さて、先日twitterでつぶやいたことを少し解説加えて説明しようと思います。

先日の株主総会の参加レポートはこちら

私自身がホルダーであり2019.1Qの決算数字を受けた下げの影響も受けています。

ですが、結論から言うと ・数字は期ズレの影響もあるのでは

            ・市場自体は追い風のため、長期なら売るのは早い

というのが私見です。ただ、短期ではホルダーの期待を裏切っている以上、元の株価にすぐ戻るとは見ていません。そういった楽観的・希望的観測を述べるための記事ではないため悪しからず。

少し、蛇足も入りますがtwitterの時系列で一つ一つ補足説明加えていこうと思います。

いきなり、蛇足から。

JIAについては、アイルランドへの拠点設置は昨年からで期への影響は今期からとなります。アイルランドについては、航空機リース発祥の地であり業界の中心地という位置付けとなります。

事実、アイルランド席のリース航空機が今でも大半を占めています。

すでに大手のメガバンク・ノンバンク系列の航空機リース会社も拠点設置をしているところがほとんどであり、この点ではJIAが後手に回っていることを示しています。

このことが、海外への案件販売の遅れにつながっている一因でもあります。今後は、海外投資家への組成案件販売を目指すのであれば引き続きウォッチしたいポイントです。

上記については、なんとなく感覚でもわかるかと思いますが航空機リースの参入障壁は非常に高いです。法律に始まり財務・会計知識や、航空機そのものへの理解など多岐にわたるルールと慣習があるためです。

したがって、ここ数年の新規参入は基本的に既存の企業を買収する形での新規参入となっています。この参入障壁については、JIAにとってある程度プラスに働く要因とも言えるでしょう。

そして、航空機リースにおいて一番よく理解しなくてはいけないのが「1年以上経つと案件はほとんど売れない」ということです。

端折って、話すと税務メリットが1年目に一番大きいため、その年のメリットを享受できないと投資家にとって節税メリットが半減するからです。

これは、後半お話しする期ズレの話にも通じるため覚えておいてください。

参入障壁については海外だけでなく、国内も同様ですでに寡占化されています。

専業ではシェア順でFPG、JIA、野村の3社となっています。そして国内の市場規模は2019年の今期は踊り場を迎えています。これは背景として節税ニーズとして求められている金融商品のため、企業が利益を出していることが前提です。

特に、一気に利益を出しすぎた時に調整しやすい製品の特質上、2018年から2019年にかけてのニーズが少なくなるのは国内景気が踊り場を迎えている今の環境で説明がつきます。

また、もちろんメガバンク系も商品として取り揃えていますが彼らの場合はいろんな金融商品の1つとして取り揃えており、無駄な在庫をあまり抱えないようにしています。

理由は先ほど述べた通りで、1年以内に売り切らないといけない鮮度の高い金融商品のため腐らせるリスクを背負いたくないというのが理由でしょう。

そして、それら航空機リース商品の販売はJIAやFPGが行うのではなく提携する金融機関や会計事務所などが行います。

このチャネルの数が、ある程度売上とシェアにつながってきている形でFPGはJIAよりも開拓先が多く、銀行においてはほぼ網羅しています。

そして、ここが重要な点ですが航空機自体の需要はこれから右肩上がりで増えるということです。

理由は、世界経済がグローバル化すること、あるいはアジア・新興国の成長に伴い国民の海外旅行需要が拡大することなど、今後も国を超えた移動手段として代替するものがない以上、求められることは確実です。

そして、何百億、何千億という買い物になるため航空機リースといった形での資金調達の手段はニーズとして同じように増えていくということです。

つまり、シンプルに市場規模が拡大して、参入プレーヤーが限られるということはぼーっとしていてもある程度成長できる市場とも言えます。

以上、ざっくりとJIAの置かれている市場環境を説明しました。それを理解した上で、今回の残念な企業決算の数字を見ると一つの仮説が立つのでは、というのが今回お伝えしたいことです。

見づらいのですが、前年同期比で数字を見ていくと大きな違いとして目につくのが前渡金です。

2018年第一四半期が1,756に対して、今期が18,781と約10倍の数字となっています。

この前渡金というのが、資料にも書いていますが「今後、商品出資金となる」資産です。商品出資金、つまり投資家に販売するための調理前の材料といった位置付けということです。

そして、さっきも言った通り航空機リースは1年以内に売り切ることが大前提という期限のことを考えれば、1年以内に商品出資金に変えて売り出し、そして売り切ることをミッションとしていることが読み取れます。

そして、このあたりのことをざっくりと理解した上で決算説明資料を読み直すと細かい文言で、しっかりと説明が付け加えられています(例:P14に優良リース物件の新施策は前渡金として資産計上するとの注釈)

そこをちゃんと伝えられないのがIRとして足りない感じは否めませんが、上記が期ズレの可能性が高いのでは、とみる理由になります。

最後に、tweetにも書きましたがあくまで、外部環境の悪化で売り切れないなどのリスクも一定数つきまとっています。本当に自信があるなら、不満と思える株価に達した時にIRを出してこなかった不思議さも少しは感じますし。

それに、銘柄分析は手段であってどれだけ行っても儲けたことにはなりません。簡単に儲けられる銘柄もたくさんある中での比較論だと、劣る銘柄だということは理解しておくべきです。

自分も2011年にFPGを買って、テンバガーを達成したこともありこの分野の銘柄に夢があることも実体験として感じています。余裕資金であること、大前提ですがまだまだ持っていてもいいかなと思える銘柄です。

そして、名前からは全くビジネスモデルがわからない・・・ということで敬遠されがちな銘柄でもあるため、少しでも理解につながればと思い記事にしてみました。

株主優待もあるので、長期でトライしてみるには面白いかもしれませんね。

今日はこの辺で。

stoam1007

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