最近は、短期は指数トレードで小銭稼ぎに勤しんで中長期はいわゆるプラットフォーマーと呼ばれる銘柄に投資しています。
よく聞くプラットフォームという言葉ですが調べてみるとこんな感じ。
つまりは、人と人が結びつく「場」の提供者ということです。彼らのビジネスモデルとしては参加者から「場代」を徴収して利益を作るというものです。
すぐイメージができるのはAmazon、楽天あたりのECサイトでしょうか。
このプラットフォーマーに目をつけた理由ですが、以下の3つが主な理由です。
1、Amazonが成功したビジネスモデルであり、再現性が高い
→ある日、ふとPERがめちゃくちゃ高いのに買われていたAmazonを見て自分の銘柄スクリーニングを見直したのがきっかけです。自分の場合はPER100倍といった異常な数値をはじき出しているのは「ハナからおかしい」と決めつけて銘柄詳細を見ることさえしませんでした。
しかし、事実として高い株価成長率を記録した銘柄であります。20年で株価400倍。つまりは、なんだかんだPER高くても買いたい人が多ければ伸びるということが厳然たる事実です。
これを受けて、自分のスクリーニングを見直したことから始まりました。
かつ、その上で「Amazonに似たビジネスモデルを持っていて、彼らが歩んできたような同じシナリオで成長する銘柄があれば400倍とまでは行かずとも、テンバガーくらいは見込めるのでは?」という仮説のもと同様のビジネスモデルを持つ企業を探したというわけです。
2、プラットフォーマーが現代の事業環境にマッチしたビジネスモデルである
例えば、AmazonしかりUberEats、Airbnbなど自分の身近なところでも大分こうしたサービスが浸透してくるようになりました。
Uber Eatsならわざわざ出前を頼まずとも、近くのあらゆるお店の料理が手軽に注文できるようになり、Airbnbなら高いホテルを頼まずとも、目的地の近くのゲストハウスを借りることができるようになった。
これは逆から言っても同じことです。UberEatsは来客せずともお店の料理を食べたい人が顧客となり、エアビーも自分の遊休不動産が収入を生むようになった。
つまり、マッチングによって互いの負を解消するビジネスモデルです。国内だとリクルートがリボンモデルと表現して有名ですが、その解消の場を作り上げるのが企業の役目です。
これは、昔ならできなかったこと(できづらかった)です。今はスマホやITの進化で簡単にアプリ一つでマッチングがあらゆるサービス、場面で行われるようになりました。それによってB2BもB2Cでも実現されている。
逆を言うと、昔から負を抱えてはいたがそのまま飲み込んでいた不満が近年一気に解消されるようになってきている。それが現代のビジネスモデルにあったという意味です。
3、データは次のビジネスを生み出す最高の資産
これは、例えばAmazonのレコメンド機能しかり彼らの提供するプラットフォームで得た膨大なデータを次のビジネスのタネに使用することができるというわけです。
工場の機械設備だと「車を作る製造装置」を「半導体を作る製造装置」に切り替えることはほぼ無理です。ですが、データの場合はそこからほぼ無限にビジネスを作り出せる。データは例えるなら事業を行う上での「土壌」のようなものです。工場の機械設備のような「作業用具」はその用途でしか使えませんが、土壌からはいろいろな作物を育てることができる。
事実、Amazonは書籍のネット販売から始まり今では地球上のあらゆるものを取り扱う総合ショッピングサイトにまで成長しました。国内だと楽天なんかはショッピングサイトだけでなく、銀行・証券から、保険、旅行窓口、さらにはスポーツなどなんでもござれです。
リアルからオンラインに市場の戦場が移行する中でデータは最重要 戦略資源です。それを自己スパイラルで増殖できるようなビジネスモデルを持つ企業は今後ますますプレゼンスが高まってくると思ったのが3つ目の理由です。
上記3つの理由を受けて、近年はプラットフォーマーと呼ばれる銘柄をピックアップして中長期投資でテンバガーを狙っています。
具体的な銘柄についてはまた別の機会に書こうと思いますが、私の言うプラットフォーマーという定義は以下となります。
1、オンライン上で顧客同士を結びつける事業モデルがあること
2、Win-Winの構図になっている
3、ほぼその事業領域で独占的な地位を獲得している
おそらく、これを満たしていると思われる国内銘柄はほとんどないと思っています。よって、スクリーニングも逆に楽です。
これら選定された銘柄の優先順位を決めるものとしては
・抱え込まれた負が大きければ大きいほどいい
・独占的な地位からくる圧倒的な利益率
・データを元に事業の水平・垂直展開が行えている
この辺りまで来ると大分、資金配分も固まってくるのではないでしょうか。
1点、補足するのであればプラットフォーマー銘柄≠Saas銘柄、サブスク銘柄です。最近湧いてきているこのバズワードとは一線を画しています。
具体例で考えるとわかりやすいですが、楽天はプラットフォーマーではありますがSaasで何かを提供していませんし、月額課金(サブスク)でもありません。一部サービスではそのようなものはあるのでしょうが、それはどの企業でも行っていることです。
個人的にはSaasもサブスクも事業の提供の仕方なので、その事業がどれだけ競争力のあるものかを見極めなければ意味がないと思っています。なのでプラットフォーマーがサブスク化やSaasの事業形態で何かを提供した時が一番強いと思っています。 ※弁護士ドットコムのクラウドサイン有料化など
最後に、結論から言うとAmazonのような完璧に近いプラットフォーマー銘柄は残念ながら国内にはありません。が、「一定の事業領域に特化した」銘柄と言える「ニッチプラットフォーマー」はごく少数存在します。
がゆえに、投資判断が必要であるところが難しいところで楽しいところでもありますね。
それでは今日はこの辺で。