10月時点の監視銘柄・保有銘柄は以下の通りです。
ちなみに、前回は7月時点のものですがこちら。
・リクルート
中長期のindeed事業大化けに期待。年率30%以上の成長力で今後数年で大きく収益化する可能性大。本決算でも、indeed+グラスドアのHRテクノロジー部門は堅調。国内の人材派遣およびメディア事業で安定したキャッシュを生み出して、どんどんんHRテック部門に投資してほしい。
人材部門においては、GAFA以上のプラットフォーマーとなる可能性を感じている。最近も海外のHRテック企業を小粒ながら買収継続。indeedの売上が鈍化するところが変調の兆しとしてチェックすべきところ。最近は大株主の売り出しやリクナビ問題などで株価が調整気味だが、
長い目で見れば必ず数字がついてくると確信。やはり、indeedの代替サービスはなかなか出てこないというのが個人的な見解。
・ダイキン工業
買収巧者。冷媒から機器まで一貫して保有する技術の強みと、製造技術力。空調は地域ごとに文化が異なるし、季節変動も多いため製造の高いノウハウが必要。そこは、他社で追いつけないほどの水準に達していると見る。稼ぎ頭の北米・中国の貿易戦争の影響がきになるところ。また、インドの開拓についても中長期で確立していくものと見ており、ここ1年で上値を試す感じではなさそう。地合いで一時期より株価回復傾向だが、もうひと伸びする材料不足の感じは否めず。また、急速にグーグルやパナソニックなどが空調分野に力を入れる姿勢が見えるなど競争環境変化の可能性も注視したい。
エアコンは家の中でのIoT一等地という認識が定着しつつあり、スマートホーム実現のキーデバイスと見ている企業が出てきた。相場全体が下げた時に安く仕込みたい。
・JIA(ジャパンインベストメントアドバイザー)
1Q決算の数字悪化で足元は株価さえず。期ズレの可能性と見ているので、現物でゆっくりと保有。ただ、冷静にみるとFPGだけでなくメガバンク系やオリックスなどが航空機リースに本格参入しており、競争が激化している。銘柄に過度に入れ込まず、かといって悲観しすぎずの精神で。
2Q前に下方修正発表したが、機関の返済売りも多く、出尽くし上昇。個人的には底堅いと見ているのでのんびり放置。3Qに向けては信用分の需給整理がだいぶ進んでおり、指標によっては今度は上値を試す可能性が高い。
実際チャート上では、じわじわと底値を切り上げる動きが見えるので、楽しみ。
・小松製作所
マイニング(鉱山機器)企業を最近買収してフルラインナップ。機器のI o T化や、メンテナンスで稼ぐ事業構造は他社にない強み。為替想定がかなり保守的。通期で見直し期待。AIとの擦り合わせ型モノづくりのビジネスモデルは今後収益に大きく貢献するものと確信。中期経営計画はパッとしない印象。
坂根さんの時のような強いリーダーシップをあまり感じないのが気がかり。19年の本決算はしっかりした数字を出したが、いかんせん来期の予想がマイナスと弱すぎる。実際、中国指標はいまだ底入れ感は見えないため今買う感じではない。1年近くは上値が重い展開が続くのでは。買いは相当先か。
ただ競争環境としてはキャタピラーに先行する形で5G・AIなどの先進技術を取り込んで建機メーカー→スマートコンストラクションのサービサーとして脱皮を図ろうとしている。この先行投資が、中長期の競争力につながると期待。
・ピジョン
育児用品メーカー老舗。中国は病院網からしっかりルート確保しており、既に確固たるブランド築く。独自の経営指標で数字へのこだわりを感じる。中国ビジネスの成熟化も見据えて、シンガポール拠点からアジア各国の開拓を急ぐ。欧米については買収したランシノ社を通じての間接統治。
ガバナンスが気になるが、ピジョン同様北米でのシェアは盤石。また、中国では通販に力を入れる方針を示しており、売り上げ含め開拓余地あり。中国指標は弱さが目立つものの、後述の良品計画とともに中国小売り銘柄の底入れ感が出てきている。
次の成長マーケット国での流通販路の確立→高付加価値商品の提供を中国同様に再現できるかが注目。短期的には販管費増が響いて、1Qは利益減。2Qも冴えなかったが出尽くしで買われている。
・エムスリー
医療・製薬マーケ分野のGAFA。圧倒的な独占的ポジション。本決算良好、直近高値を更新。まだまだ成長局面と見る。最近は日本アルトマークの買収、LINEやdocomoとの協業や先端ベンチャーへの出資など積極的に次の種を蒔いている印象。治験や医師、製薬マーケなどで得たビッグデータを元に再現性の高い先端医療投資など、今後はソフトバンクグループのような投資会社へ脱皮していけると面白い。今回の3Qも順調な数字。特にメインのプラットフォーム事業でも成長フェーズにあり、強さを見せた。主力としてガチホールド。
エマージング(先端投資)分野と海外がまだまだ開拓余地があり、売り上げ・利益ともに強さを見せている。プラットフォーマーとしての優位性は揺るがず安泰。
・良品計画
無印良品という圧倒的なブランド力。熱狂的なファンや、生き方を変えさせるだけの力がある商品力。アジアだけでなく、全世界で展開。国内はニトリ・ユニクロとの競合があり、稼ぎ頭の家具・衣料品が苦戦。海外展開が順調に進んでいるので、このペースで進んでいって欲しい。また、冷凍食品をはじめとした食品分野への拡大は「食の安全」を背景とし、かつ競合他社がいないため売上につながるものと期待している。足元は相当割安と見ている。直近の決算は弱く、海外含めたサプライチェーンの構築が課題であり、組織改革や現地生産あたりのニュースがチェックすべきところ。一方で
ブランド価値の毀損ではないため、景況感の回復と海外展開が順調に進めば数字はついてくるものと期待。世界各国で「無印ファン」が存在しており、このブランドの強固さを正しく認識すべき。
・ZOZO
アパレルをITで変える力あり。ファッション×ITはウェブデザインやインターフェースなど、他イーコマースと違い擦り合わせ力が試されるとみており、ポジションに揺るぎはない。
本決算での発表の通り、原点回帰の正しい戦略を取り直せた。ゾゾタウン事業で得たキャッシュを使い、中国事業など次の成長マーケットで成功できるかがポイント。足元では広告など店舗支援のビジネスがどれだけ貢献するか次の決算に注目している。
ヤフーによる買収はポジティブとみており、流入数が増えることにより再成長が国内でも期待できる。一方、アリババなどソフトバンクグループの中国コネクションをうまく使うことでいったん挫折した、中国事業も軌道に乗る可能性を感じている。
・弁護士ドットコム
リーガルテックの代表格。クラウドサインは、普及期だがスタンダードを握る可能性あり。他が手がけていないため、独占に近い。
祖業の弁護士支援で稼いだキャッシュを普及機のクラウドサインに徹底的につぎ込むフェーズ。クラウドサインも単価向上や無料の範囲を狭めるなど、徐々に収益化の手を打っているのは巧みな経営手腕。
クラウドサインだけでなく、税理士ドットコムや法務ビジネス部門の士業支援など再現性の高い、事業の水平展開は早期の利益貢献につながるものと見ている。クラウドサインはCMが本格開始するなど広告費用が先行し、意図的な踊り場に数字自体はなると思うが売り上げがしっかり伸びていれば問題なし。
・シスメックス
血液検査機器、世界でトップシェア。個別化医療が進む中で、血液分野を取っていることが強み。企業価値と株式価値がほぼイコールになるまで下落して調整完了。ようやく株価が上向いてきた。
ヘマトロジー分野で稼いだキャッシュをバイオ診断薬分野での成長に活かせるかどうか。4月に稼働した拠点も含め、ライフサイエンス事業の利益貢献が加速すると、株価も上昇気流に乗るのではと思っていたが現状は停滞気味。
中国分野での弱さが目立つが、今後はカスタマイズされた医療(個別化医療)を受ける時期は近いうちに到来するとみており、そのキーテクノロジーがヘマトロジー分野。そこを抑えているシスメックスの強さはどこかで製品・サービスとなり評価されると期待しているので買い場を探りたい。
今は、積極的に買う理由がまだ見出せず。
・寿スピリッツ
お菓子の総合プロデュース企業。北海道の銘菓、ルタオブランド保有。決算も良好。インバウンドの恩恵をもろに受けている。お菓子分野におけるSPA企業であり、高収益体質。今後は海外展開が成長基調になるかどうか、インバウンドの売上目標が少し高すぎるのが気がかり。
短期的にはインバウンド需要をがっつり取り込み、数字も想定以上に伸長。少し過熱気味なので、調整局面で割安さが出たら徐々に買い始めたい。
・モノタロウ
工具版Amazon。対象は全法人企業になるため、まだまだ拡大余地あり。低販管費でローコストオペレーション。物流・配送費の上昇を吸収できるかどうかが重要だが、物流拠点の拡張や新設検討など当面は投資拡大フェーズのため、利益を圧迫する可能性が高い。
直近の決算では、ロボットや物流拠点の効率化で物流コストの低減が見える。新拠点解説など、まだ拡大フェーズなので拠点の効率化も水平展開をして地道にコツコツと愚直に取り組んでほしい。
これも暴落局面で丁寧に拾いたいところ。拡大フェーズが続く限りは手放す理由なし。
一方で、次の事業の柱として海外展開・水平展開のいずれを打ち出すかが気になるところ。親会社グレンジャーとの兼ね合いもあるので、自由にできるわけではないことは留意。
・ミズホメディー
インフルエンザ検査キットで有名。派手さはないが着実に業績を伸ばしている。遺伝子検査やピロリ菌、マイコプラズマなどの細菌系の診断キットも開発中。
迅速診断というコンセプトのもと、ボリュームゾーンの検査ニーズにしっかり対応している感じ。
1Qの決算は、インフルエンザとマイコプラズマの早期沈静化に伴い検査キットの売上が想定に届かず。が、直近の底から700円近くのリカバリーを見せるなど強い銘柄である一面を見せた。あの時買ってれば・・・の典型例。
インフルエンザが終わったタイミングでいったん売られ、秋冬にかけて見直し買いが入る季節性もある銘柄。
・学究社
市進ホールディングスによる買収の思惑期待と、都内の難関進学校向けに絞った事業戦略に好感。業界の中で一定のポジションは確立しているので、しっかり生き残るか買われるかのいずれにせよ美味しい二択にほぼ絞り込まれている。
・鎌倉新書
エンディング(終活)分野におけるプラットフォーマー。なかなか切り込みづらく価格の硬直性が高い分野だからこそ、ITによる情報公開や合理化が活きる。
墓、仏壇、葬儀の3分野のプラットフォームがメイン。高齢化社会とITリテラシー世代の高齢化に伴い市場は確実に拡大する。ただ、海外展開の再現性は文化によるところが大きく、新事業の柱がどうなるかが見通せない。今期は利益が踊り場となるため、本業の堅調さと新事業の進捗が決算注目のポイント。
新事業の柱としては終活としての遺品整理や遺言状作成などのコンサルティングなどに展開。方向性としては正しいので、あとはうまくマネタイズできるかどうか。
・エラン
全国の病院や介護関連施設を通じ利用者に身の回り品などをレンタルする『CSセット』提供。この分野では先駆者であり、病院施設にも認知度向上で導入施設が急拡大。
次の成長ストーリーが気になるところがだが、全国の病床数に比べてまだまだ圧倒的に足りていないのが現状で、当分は拡大フェーズが続いているか売上成長率を軸に要チェック。
・イーギャランティ
売上債権など企業の信用リスクを引き受けるビジネスモデル。企業はリスクヘッジとなり、イーギャランティは保証金として売り上げが立つ。
引き受けたリスクは金融機関に再保証という形で提供されるため実質、リスクをそのまま保有しているわけではない。
わかりづらいが「企業における信用リスク取引のプラットフォーマー」と個人的にはとらえている。
したがって企業の信用リスクについてのデータがどんどんたまっていくため、ここから派生する信用調査などの新たなビジネスも生まれてくる。
一方で、市場規模としては200兆円とも言われ、地道に受注を獲得していけばまだまだ成長できるフェーズ。実際には競合もほとんどおらず、手つかずの空白地帯。
不況期には企業倒産など信用リスクが増えるので、マイナスとも見えるが一方でリスクヘッジのニーズは増えるため売り上げ拡大の場ともいえる。
当分の注力分野としては事業運営の間接コストを低減する、とmonotaroと同様地味だけれどコツコツ取り組むべき分野。
実際に変動費が減れば、信用リスクの引き受けはストックビジネスのため利益にそのまま貢献する。
事業モデルがわかりづらいだけで、実はすごく秀逸なビジネスモデル。
今日はこの辺で。